2012年11月10日土曜日

#9 体育会所属団体(準体育会)についての所見

#9 上井大舟


この所見は現役部員、もしくはOB諸兄をはじめとした関係者により読まれることを前提に書かれたものであり、現役部員は本年度の主将による所見として須らく共有されたい。


<目的>まず体育会所属団体(以下準体育会)は慶應義塾体育会局により公式の認可を受けた団体であり、塾生のスポーツを奨励することを目的として設置されている。(公認団体サークルの認可主体は学生部である。)他にもラグビー、野球、アメフトといった準体育会が存在する。定期的に行われる審査においては対戦成績、財政状況、年間計画、OB組織などが審査される。加えて、昇格希望があるにも関わらず、ここ数年新団体が誕生していない事実からも審査の難度は非常に高い。なお体育会局へは全部員を登録し、当然有事の際には照合され処分される。新種目体育会や理工学部体育会、医学部体育会がどのような位置づけをされているのかについては不明だが、医学部体育会に所属する学生は自分達のことを「体育会」と捉えていることは想像できる。

<実態>スケート部アイスホッケー部門とは性質を異にし、練習頻度、内容、および上下関係、学生服の着用などの文化につき大きな違いがある。アイスホッケーサークルも存在するため、両者に挟まれた「準体育会」の立場についてはしばしば疑問を持たれる所である。他大学には準体育会の概念は存在せず、同好会リーグの他チームはすべて「サークル」に分類される。したがって対戦相手はサークルであり肩書きは塾を代表する体育会として曖昧な立場を取らざるを得ないにも関わらず、数年来は対戦成績も芳しくないため肩身の狭い思いを抱いているのは運営幹部にとどまらないであろう。加えて上記のスケート部の選手レベルの高さ、活動内容に比すると当クラブは体育会よりもサークルに近い。

<意義>果たしてこのような実態の下、肩書きを背負う我々が求められるものは何であろうか。廃部せずにクラブが存続しているという意味から、スポーツ推奨という目的は達せられているように思う。あくまで当クラブは「準体育会」であり、「体育会」ではない。体育会局が他大学にない「準体育会」組織を創設したからには元々体育会の部とは異なるものとして準体育会を位置づけているはずであろう。運営の効率化のため、部の二軍、三軍選手を便宜的に分割し、創設されたのではない(手続きは組織ありきで、審査を要することは既に記述した)。ならば体育会とは違ったものとしてクラブを考え、どのように固有性=アイデンティティを見出していくかが所属する部員の責務である。体育会局に登録された学生であるのだから、対外的に自分が「体育会」であると言うのは可能であって個人の自由であるが、「体育会スケート部」とはまるで違うものだということも説明できなくてはならない。どう違うのか、なぜ体育会ではなく準体育会を選んだのか。肩書きだけ伝えるのは容易であるが、詳細について聞かれた時に体育会ブランドのメッキはすぐに剥がれる。

<考察>『あくまで当クラブは「準体育会」であり、「体育会」ではない』というのがこの所見の本質である。大学時代に何をして、どう過ごすのかを考えた時にスポーツを組み込むならばその活動場としての選択肢を提供することに当クラブの存在意義はある。その活動程度は体育会でもサークルでもない。いずれにせよ結果として得られるものは異なる。ただし所属する組織を選ぶ際に結果として得られるものを明確に意識し、選択に反映することは現実的に不可能であろう。皮肉にもこればかりは帰納法的に見出すしかない。そして見出すころには現役期間も残すところ2カ月、というのが現在の私である。


堅苦しくなったが、初頭記事ということもあり敢えてこのような形にした。以後の記事は楽しい、ざっくばらんな内容で構わない。次は4年藤原。

以上

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